Y2フィルター(その2)

引き続きSE120にレデューサー+Y2で色温度の影響を見てみた。

M42は明るく大きな星雲であり、CLSフィルターなどをつけて撮ると思いのほか赤みが強くコントラストが美しい。しかしSE120では短焦点アクロマートの欠点=青ハロがくっきり出てしまう。CLSは460nmくらいまでカットしてくれるがそれでも足りず、デジカメの特性もあるので手に負えない。そこで480nmまでカッとするY2フィルターとなるが、さすがに背景まで緑~茶色になってしまうので、色温度をずらしてどうなるかを見ている。今回は3000Kまで下げて赤味強調を期待したが限界のようだ。(Fig.1)

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Figure 1. 左:なし、中央:MC4+CLS、右:MC4+Y2(CT.3000K)

MC4レデューサーでf.l.=×0.73まで短焦点になっている。CLSでもかなり青ハロは軽減しているがイマイチ。Y2をつけると背景は緑色っぽくなるので色温度変更+画像処理で黒に寄せたが、せっかくの赤色星雲が残念。CLS程度が見栄えは良い。

 

Y2有り無しで気がついたが、ありの画像のほうが微恒星の写りが良いようだ(Fig.2)。この微恒星は500nm以上の波長で光っている恒星、おそらくより表面温度が低い「老いた星たち?」なのでがないだろうか。などと思いめぐらしながら天体写真を楽しんでいる。webには自作の分光装置を使って天体写真をとりスペクトル同定をされている方もいた。さすがだ。

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Figure 2. 左:MC4+CLS、右:MC4+Y2(@CT.3000)   右のほうが微恒星がすっきりくっきりか。