M42中心部(トラペジウム)のスペクトル

 ここ数日夜空が綺麗だったので、改造デジカメに回折格子を付けてM42星雲のトラペジウムのスペクトル撮影を試みた。

 M42ともなると焦点距離1000mm+m4/3デジカメでは画面いっぱいになり、かなりまぶしいくらいで、つまり画面いっぱいにスペクトルが広がる。通常は対物レンズ前にスリットを付けてプリズムからの分光をさらに部分的に取り出すのだが、センサー前面に回折格子を短冊に切っただけでは騒がしい。そこでセンサー左端中心部に四角形の回折格子フィルムをおき、回折方向に短冊状の黒紙を配置してスぺクトが見やすいようにした。対象の導入にかなり手こずったが、なんとかデータにはなった感じ。ともあれ、

M42中心部(C8N+UHSフィルター+改造E PL5, ISO25600-30sec×7枚スタック、WB7500K) 2022.12.20. 田貫湖



 トラペジウムの写真は以前にも掲載したが、ここでは左端、太陽の位置と合うように切り貼りした。下にはnetで紹介しているブログ記事も引用してある。

 これで分かったこと:①トラペジウムは300nm付近から発光していること、②近赤外領域はかなり弱い、の2点。トラペジウムは若い星でO型星と呼ばれるており、その強い紫外光で周囲のオリオン星雲の星間物質を発光・散乱させているという。一応紫外光領域でも確認できた。

 このカメラは紫外(約300nm)~可視~近赤外(約1300nm)まで一度に撮影できるのがメリットであるが、プリズム分光のように禁制帯までは分解能はないことも確認できた。

この辺で手打ちとするか、更に改造カメラを作るか、来年としよう。(2022.12.20)