NGC2403, NGC2404

 NGC2403はキリン座にあることから一応年中観測可能と言われていますが、やはり冬から春先にかけて見やすいようだ。M33を小ぶりにしたと言われ8.9等もあるので写してみたが、思ったほど「映えない」。で、調べてみると、超新星が発見されていたり、H2領域が活発だったり、地球からの距離がいろいろ変わったりと話題は豊富で、ついつい調べてしまう。

 まず、この銀河の中にNGC2404という天体があるようなのだが、H2領域ということであまり「これ」という感じではないが、超新星のほうは、

「2004 年に板垣公一さんによって発見された II 型超新星 SN2004dj の輻射輸送計算を行い、SN2004dj は13-15 太陽質量程度の星が太陽の 300 倍程度の半径をもつ赤色巨星になり、1051 エルグ程度のエネルギーで爆発した超新星であることを明らかにした。」(冨永望 (国立天文台)、Sergei Blinnikov (ITEP)、野本憲一 (IPMU) 、日本天文学会2008年秋季年会)、というものらしい。

 ということで、D200mmの反射にPen E-PL5改造機に光害カットUHCフィルターのみ付けて撮ってみた。ISO16000-30secスタックなのであまり暗い星は写っていない。

 でも、2004年発見当時は12等級くらいはあったようで、20年程経つとほとんど見えなくなっており、赤色巨星の爆発のエネルギーが一機に散逸していったわけで、宇宙のダイナミックさはやはり想像を絶すると感心してしまった。

図中の等級は、Mon. Not. R. Astron. Soc. 369, 1780–1796 (2006) から引用した。(D200mm-F5にAC4を付けて実測f.l.769mm, EQ5+PHD2自動追尾, Pen-E PL5改造機, ISO16000-30sec×22枚スタック処理、B/W変換, 2024.1.12, 田貫湖

 

また点線矢印の先は、N2004dj の発見された位置で、「心眼」では超新星の痕跡が見えそうなのだが、どうでしょうか。発見当時のイギリス天文台の写真も載せました。