IC417 Young Stellar Objects (YSOs)を見てみたい

 IC417(別名スパイダー星雲, 10000光年)はぎょしゃ座にある散光星雲で、地球から見て我が銀河中心の反対側の端っこにあるそうですが、この星雲の中でたくさんの若い星たちが生まれているとのこと。赤っぽく見える散光星雲の中にあるようなので、近赤外で撮って画像処理をいろいろやってみたけれど、やはり無理。調べてみるとNASAの資料ではJバンドでは無理で4.5μで見てわかる (The Spitzer wavelengths of 3.6 and 4.5 microns are green and red, respectively.)とのこと。近赤外ではなく赤外、ということでやはりきちんと調べてから取り掛かるべき、と。まずは写真を。左が可視画像で右がIR850で撮影した近赤外画像。

ここでIC417中心部を拡大して論文と比較してみると、

   

 下の画像は、L. M. Rebull, et. al., The Astronomical Journal, 166:87 (45pp), 2023 September, から引用で、元はThe Spider Nebula - NASAの画像。ここに細い矢印で示した部分で赤っぽい星が「Young Stellar Objects」。上の2枚で矢印を付けた恒星はおそらく赤色巨星で赤く写っており、近赤外ではより明確になっていますが、目的のYSO達はやはり写っていませんでした。

 と、情けない結果ですが勉強になりました。あとできるとしたら、IR850やIR950を付けて撮影時間を延ばすというのがありますね。撮影波長を延ばしたほうが「地かぶり」が少なくなるので、ISOmaxで60秒×多数枚というのが最後の条件です。(D200mm-F5+UHC+フィルター+Pen-E PL5改造機、PHD2自動追尾、2024.3.14, 朝霧高原)