M16近赤外撮影

M16わし星雲の散光星雲(IC4703)は水素元素の発光であり主波長は656nmとある(H2領域)。実際非改造のデジカメでとると、M16は赤みを帯びており「映える」。

ジェイムズウエッブ望遠鏡の観測により、それまで「創造の柱」と呼ばれる暗黒星雲領域とその周辺に多くの恒星が写っており、赤外線観測が新たな段階に入っている。

と、能書きはこれまでとして、以前からトライしてきている改造E-PL5にIR850を装着し、850nm~1250nm(推定)での撮影を行った。ポイントは、実はSE120屈折望遠鏡(D120mm-F5アクロマート)をどう活用するかで、つまり普通に撮っていては色収差が防げず気が引ける。以前AC4を付けてreducerとすることで、色収差は幾分改善できたし、あるいは黄色フィルターY2や赤フィルターを付ければそれぞれ収差は改善できる。しかしそれだけではどうもつまらないし、WBの設定や画像処理も面倒になる。

今回は、SE120にIR850をフィルターハウジングを自作して導入し撮影してみた。ついでに、D80mm-f.l.700mmをヤフオクで買っていたので、これにAC No.5(200mm)を内装して合成f.l.280mm(F3.5!)とし、非改造E-PL7を付けたファインダーカメラのテストも兼ねた。(2023.7.11, 22:40~23:15, ISO25600-30sec露光×30枚スタック処理。ISO12600   WB5300K、高感度・長時間NR:ON)

 

散開星団は散光星雲の手前にあるというので、この散光星雲がなくなってもあまり意味はないようだ。ちなみに、可視領域で撮影した画像を載せる。やはりこのほうが「映える」。total4分露光。「創造の柱」はうっすらと写っているようだ。

ISO16000-5sec ×49枚スタック、階調調整。SE-120+AC4+Pen-F+UHCフィルター。2023.7.17 21:24~21:37, 朝霧)