NGC7822は地球から約3000光年離れたところにある散光星雲で、ケフェウス座というよりむしろカシオペア座に近いところにある星雲です。可視光像(ただしY2フィルターで青色カット)は先のブログで掲載してあるが、同じ日に撮った近赤外像(720nm~約1300nm)で撮影した画像と比較したところ、一部の恒星が「星雲の向こう側」にあると想像?できることが分かったので、比較画像を掲載します。
下の近赤外像で線で結んだ恒星の右から2番目の星の左下付近にある星です。これは可視光像より明確に明るく写っています。可視光領域は、この星雲、つまり星間物質の大きさが原子~ミクロンレベルの大きさの粒子で散乱されてしまい、地球にはとどかなくなります。一方、近赤外~赤外領域の光は散乱されずに地球に届きます。つまり、この星間物質の向こうにこの星があることを示唆しています。やや見ずらいが、明るい恒星は線で結んであり、比較するときの目安としてください。
<以下2枚を追加>上:近赤外光像、下:可視光像
このような比較をシステマティックにできると良いのになあ、と思いますが、結構大変でした。
この星雲は「星たちがたくさん生まれている」ということでいろいろな観測がなされています。今回見つけたことはもちろんすでに詳細に研究されていることと思います。